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コラム ~拡がり~
4.162023
「高倍率ルーペ」は「いい」ルーペ?
私たちが販売するルーペの倍率は、1.4倍から24倍まで取り扱いがあります。
私たちが過去、ユーザーの皆様と接してお聞きするお話に、「倍率が高ければ高いほど良く見える」「高倍率の方が良いルーペ」といったお声があります。
事実として、高倍率ルーペは対象物をより大きく拡大出来ます。小さい文字を見るや葉脈の観察等、高倍率ルーペが適する場面も数多くあります。加えて、仕事上高倍率のルーペが必要な方、例えば宝石鑑定、時計修理、工業製品の検品、印刷の仕上がりのチェック等には必需品と言え、ロービジョンの方々にも高倍率でなければ見えない場合が数多くあります。
高倍率ルーペは上記の通り対象物をより大きく出来ます。しかしながら、懸念点があり大きく分けて3つあります。
1;ピント合わせが難しい
光学上、高倍率になればなるほど、周辺がゆがみやすくなり、焦点距離が短くなります。これは「目とレンズと対象物」の距離がそれぞれより短くなることを意味しています。例えば2倍(4Dpt)のレンズであれば20㎝程度離してもピントが合うのに対し、5倍(20Dpt)では5㎝程度の距離を保持しなければピントが合いません。
この距離よりも離すと、はっきりとした画像を得られない上に逆向き(逆像)に見えてしまいます。
2;見える範囲の狭さ(低い倍率に比べて)
高倍率のルーペは、低い倍率に比べて見える範囲が狭くなります。伴って、見える文字数が少なくなり、読書スピードにも影響を与えます。
3;レンズ径が小さくなる
例えば2倍(4Dpt)のレンズであれば直径10㎝、3~6倍(12-24Dpt)のレンズは直径6㎝、10倍レンズでは直径3.5㎝と倍率が大きくなるとレンズ径は小さくなります。
小さくなることのメリットもありますが、直径が小さくなると、読みたいところを探すのも一苦労といったお声もお聞きします。
高倍率のルーペは、使い方のコツ(ピント合わせ)をつかむまでに少々時間がかかることがあります。一般の方が、新聞や本の文字を拡大して読む場合、必ずしも高倍率を必要としないケースもあります。「(ピントが合わずに)よく見えない!」と、せっかく購入したルーペを使わなくなってしまうことはとてももったいないことです。
高倍率ルーペを購入する際は、使い方やその倍率での見える範囲・大きさ・使い勝手を検討した上で選択されることをお薦めします。
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とっても大切な「目ールーペー対象物」の距離関係